ISHII SATOSHI -Kawa no Maker- >> Fly Fishing >> column:たまに結び直さないと切れるよね
細めのティペットで大きいフライを扱う時がある。例えば6X以下の細いティペットに、#14番以上の大きいフライをユニノットで結んだとか。そのフライをふいに枝へ引っ掛けて力を加えてしまったり、テイリングでフライがロッドに絡んでしまったりした時に、フライはまだ結ばれてはいるけど、結んだ当初と比べて弱くなっている。
この状態で魚を掛けてしまうと、当初想定していたティペット強度よりも小さい負荷でもブレイクし、せっかくの魚を逃してしまう。
ビギナーのころを思い出すと、キャストしてたフライがいつの間にか無くなるのはよくあることだった。枝とか草とか、バックの地面や何かを何度も叩いていたから、当然傷んで切れてフライは無くなる。次第に弱くなった感じで、切れたタイミングには気付いていない。
でも、特にトラブル無くピックアップやキャストを続けて魚を狙っているつもりでも、結びは弱くなっていく。実際は小さなトラブルで負荷が重なっていき、結びが締まっていき、弱くなっている。それで大きい魚を掛けて、「え?切れた!?外れたんじゃなくて切れた!? あーミスった!」なんてことになる。
フライフィッシングはキャストを繰り返すし、一定の振り込みではなくて負荷の掛かることも多い。結びが弱くなるこのトラブルは、フライフィッシングならではだと思う。バスフィッシングもキャストを繰り返すけど、それで結びが弱くなると思ったことはない。糸の太さが関係していると思う。
切れてしまうトラブルは避けたいから、単純に両手で引っ張って切れないかどうかチェックする。仮に弱くなっていれば、切れる。急な負荷でないこの方法でなら、結びが弱くなる印象はない。
フライを交換する時、私はいつも指で引っ張って切っている。写真のように離した距離ではなく、ティペットを右の指に巻くようにしてフライの結び目のところで引きちぎる。「ああ、弱くなってたな」という時もあり、ティペットの強さを体感できて魚とのファイトの時のためのとても良い参考になる。
人と対面でこんな話はそうしないし、相手だって興味を持ってくれないかもしれない。ただ、フライフィッシングをやっている人なら、それぞれ自分なりの巧いやり方を持っている。そういうのを積み重ねていくのって面白い。
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